プロジェクトマネジメントのキモとは? | 物流管理

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プロジェクトマネジメントのキモとは?

プロジェクトマネジメントのキモとは? | 物流管理

 

基幹システム統合プロジェクト

ちょうど先日、弊社と長いお付き合いのお客様(一般食料品総合卸業)の
大きなプロジェクトが無事に終わりました。

どのようなプロジェクトだったかというと、
親会社と子会社の「会社及びシステム統合プロジェクト」で、
約半年がかりのプロジェクトとなりました。

今回は何とか無事にプロジェクトを終えることができたのですが、
実は過去に同じお客様のプロジェクトで、とんでもない失敗をしたことがあります。
それは以前、子会社が親会社の社屋に入るという「移転プロジェクト」だったのですが
その際の、事前段取り、スケジュール、見積もり、スコーピング、コミュニケーション等
全てが上手く整わず、プロジェクトマネジメント全般が
殆ど機能していない状態でプロジェクトを推し進めた結果の惨事でした。

 

プロジェクト管理は超重要

今回のプロジェクトは、
このような過去の大失敗を二度と繰り返さないよう、
事前の計画や打合せ、プロジェクトチームの立上げ等を入念に行いました。
特に気をつけたのが以下の3つです。

 

無理のないスケジュール

まずプロジェクトの納期を設定し、やるべきことを洗出しました。
その中で、絶対外せないボトルネックのタスクと
少し後の対応でもよいタスクに分け、
ボトルネックのタスクに注力する「統合フェーズ」を設けました。
上記以外の項目は統合後に「改善フェーズ」で行うという
二段構えのプロジェクト構成とし、大日程を作成しました。
全てを一度にやるのではなく、カテゴリーに分け、優先順位を付け
プロジェクト自体を大きく二つに分けることで、リスク分散をすることができました。

 

週次報告と月次進捗会議

前回の失敗の大きな原因のひとつに、
”プロジェクトマネジメントの不在”というものがありました。
お客様側の各部署の担当者と弊社のSEがそれぞれでやり取りをしていたり、
お客様の経営層には、プロジェクトの進捗や現場の状況が報告されておらず
誰一人として、全体を知り、コントロールをしている人がいない状態でした。

今回は、週次での進捗報告や問題、課題のリスト化をこまめに行い、
お客様の経営層に毎週コンタクトをとり、認識して頂くことをしました。
また、月次でも全体進捗会議を行い、システム、管理、営業、業務、経理の方々にも
現状と進捗を知ってもらい、アクションアイテム一覧で管理された内容を
個別でフォローしたり、リスクや課題についても共有することをしました。

ここでの狙いは、「皆が当事者で、皆に全てを知っていてもらう」ということです。
そのために毎週資料を作成/更新し、丁寧に説明しながら手渡ししました。
これは後で何か問題が発生した場合に、
「私は知らなかった」「私は関係ない」「それは○○の責任だ」というような
酷い事態を避けるため、今回のプロジェクトで最も大事にしたかったことです。

 

見える化と情報共有は絶対必要

「問題が起こらないよう、起こりそうなところを早めに押さえる」
長いプロジェクトでは「問題は必ず起こる」という想定から入ります。

なので、もし問題が起きた場合、または起きそうな場合、
どのような準備をしておくのが良いか・・を考えておくことが重要です。
そのためには少なくとも「情報の見える化」と「情報共有」が必須と言えます。
情報共有の手段としても、様々な媒体を駆使しなければならないこともあります。
共有ツール、メール、TEL、対面、またそれらを「継続的」に行うことで
各メンバーの中に情報と意識をしっかりと落とし込めるのだと思います。

また、情報共有手段や内容も複雑なものは避け
できるだけシンプルに簡単に、見やすく、読みやすくを心掛け
以下のもののみを準備しました。

・進捗表(大日程)
・アクションアイテム管理表
・課題・リスク・スコープ管理表
・議事録
・対面コミュニケーション(週次・月次)

もちろん、各担当者レベルではもっと詳細な資料を用意していましたが
プロジェクトチーム全体としては、上記のような
抽出情報を見える化し、共有することを徹底しました。

 

プロジェクトを終えて

今回のプロジェクトで痛切に感じたことが、
お客様との信頼関係の大切さ」についてです。

信頼関係がないとチームワークも生まれないからです。
今回は特に”スーパー・プロジェクトマネージャー”がいる訳でもありませんでした。
だからこそ、
「みんなでチームワークを築き、同じ方向を向き、プロジェクトの成功を最優先に考える」
という「場づくり」にフォーカスし、プロジェクトを推し進めました。

今回のプロジェクトの成功は、
過去に経験した大失敗を二度と繰り返したくないという皆の想い、
プロジェクトチームを発足し、皆がチームメンバーで互いに協力しようという気持ち、
そのチームの中で皆がオープンかつ積極的に情報交換や情報共有ができたこと
等が主な要因であったように思います。

その中でも特に「想いの共有」の大切さを感じました。

私たちはシステムやソフトを開発し、
お客様の業務を改善したり、効率化することによって
お客様に貢献することが主な仕事です。

今回のプロジェクトを通じて、
システムをただ構築すればいいというのではなく
その過程で「お客様の気持ちや想いにどれだけ寄り添えるか
ということを考えていくことの重要性を改めて学ばせて頂きました。

 
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 
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